エリック・ホープリッチ (ピリオド・クラリネット)
エリック・ホープリッチは過去25年にわたり、ピリオド・クラリネットで演奏を続け、演奏家としてだけでなく、研究者、製作家としても優れた業績を上げている。その成果として18、19世紀のクラリネット演奏のレパートリーできわめてユニークな独自のアプローチを築き上げた。さらに、フランス・ブリュッヘン率いる18世紀オーケストラの首席クラリネット奏者をつとめ沢山のレコーディングを残し、更にホグウッド、ヘレヴェッ...
エリック・ホープリッチは過去25年にわたり、ピリオド・クラリネットで演奏を続け、演奏家としてだけでなく、研究者、製作家としても優れた業績を上げている。
その成果として18、19世紀のクラリネット演奏のレパートリーできわめてユニークな独自のアプローチを築き上げた。さらに、フランス・ブリュッヘン率いる18世紀オーケストラの首席クラリネット奏者をつとめ沢山のレコーディングを残し、更にホグウッド、ヘレヴェッヘ、ノリントン等の指揮するピリオド楽器オーケストラと共演を重ねている。また、室内楽奏者としては、ピリオド管楽器アンサンブル「ナハトムジーク」、「シュタッドラー・トリオ」を主宰、ゲストソリストとしても著名な弦楽四重奏団に招かれている。レコーディングはこれまでにフィリップス、ドイツ・グラモフォン、EMI、ハルモニア・ムンディ、ソニー、デッカなど著名なレコード会社、レーベルで録音。
現在はパリコンセルヴァトワールとハーグ王立音楽院の教授、世界各地の音大でゲストプロフェッサーとして
招聘されている。学者としての活動も活発でイェール大学出版局の「オーケストラ楽器」シリーズ、クラリネットパートを執筆、各種専門誌、研究機関の雑誌にもしばしば論文を発表している。楽器研究者としての情熱のおかげで、彼の18/19世紀のピリオド・クラリネットコレクションは比類のないものとなっている。
特にウェーバーのクラリネット作品のきっかけになった製作家のクラリネット、現存する最古のフレンチクラリネット(パリ、プルデン製作、1770年代)、ブラームスが作品を献呈したリヒャルト・ミュールフェルト(19世紀後半に活躍)の所有していたゲオルグ・オッテンシュタイナーの楽器等も彼のコレクションに入っている。
今回のコンサートでは、モーツァルトと同年代のクラリネットの名手、シュタッドラーのために書いたクラリネット五重奏曲が取り上げられるが、シュタッドラーのコンサート(1794年リガ)のプログラムにある版画をベースにホープリッチが再現製作したオリジナル楽器のバセット・クラリネットが使われる。